おはようございます、kalngonです。
今日はテクニカルの続きで、エリオット波動論について書いてみます。
エリオット波動論はダウ理論に基づくトレンドの考え方が基本になっており、相場の波形を読み解くためには大変有効な理論だと思います。
しかしあくまで経験則に基づいた優位性を説明するものなので必ずしも理論通りになるとは限りません。
またエリオット波動論を使いこなすにはやはりダウ理論や水平線、トレンドラインなどの知識を総合的に使う事が必要であると思います。
それでは具体的にエリオット波動論を見ていきましょう。
INDEX
上昇5波と下降3波
トレンドは下図の1~5のように上昇5波とA~Cのように下降3波によって構成されます。
上昇第1波
上図①の波は直前の下降トレンドの最後の戻り高値を超えてトレンド転換の可能性を示唆する(上昇トレンドの魁となる)波でこれを第1波とみなします。しかしこの時点では完全なトレンド転換にはなっていません。
最後の戻り高値を超える波なのでそれなりの勢いはありますが、と言ってがんがん伸びていく波でもありません。
上昇第2波
完全な上昇トレンドはまだ出ていないだけに、そこそこ大きく戻すことが多いようです。目安は第1波の50.0%~61.8%とされます。ネックラインを割り込んでくることも普通にあります。
上昇第3波
第3波は最も大きく伸びる波で上手く取れると一番美味しいところです。目安は第1波の1.618倍(161.8%)以上とされます。この波で上昇トレンドも確定します。
上昇第4波
トレンド中段の調整波であるためペナントやウエッジになることが多いとされます。
上昇第5波
急激に上昇することが多いがさほどの伸びは期待できず、高値を更新しないことも多いです。
下降3波
一般的に下降の場合は上昇よりも勢いがあって3波で下落するとされ、C波は大きく伸びることが多いですが、下降の場合も5波あるという考え方もあります。
フラクタル構造
エリオット波動は相場の他の多くのチャートパターンと同様にフラクタル構造(多重階層構造)になっています。
下図のように上昇5波下降3波の中にさらに上昇5波下降3波があり、この全体の上昇と下降がさらに大きな足の第1波と第2派になっている可能性があります。
上昇5波の中でもっとも狙い目は第3波だといいましたが、その第3波のなかで時間足を落としたりしてさらに第3波の始まりのタイミングを狙うのが最も合理的で優位性が高いと言えます。(図の紫の丸)
エリオット波動と大衆心理
相場は買い資金と売り資金のせめぎあいです。そしてその売り買いを判断しているのは人間です。FXはなんとなく数学的に見えるかもしれませんが、人の判断ですべてが動いているわけですからどちらかと言うと人文科学なのです。
なので大衆心理を考えることはFXにおいて非常に重要なばかりかその本質に近づくことができると私は考えています。
それではエリオット波動論を大衆心理の面から見るとどうなるのでしょうか。
導入期(第1波)
第1波の開始時点㋑ではダブルボトムを形成しかけてはいますがまだネックライン(緑線)を超えておらず、最後の戻り高値(赤線)でも再度落とされる可能性もあるので、さほど大きな買いは入って来ませんが、トレンド転換を予測してリスクを取る一部のトレーダーが買いエントリーします。
㋺のあたりになるとネックラインも最後の戻り高値も上抜いて下降トレンドの終焉が確定するがまだ上昇トレンドは確定しておらず、㋑付近から買っていたトレーダーの利確の売りによる押しが入ります。(第2波)
成長期(第3波)
㋩の付近まで押しが入るとそれまで下降トレンドに乗って売っていたトレーダーが下降トレンドの終焉(第1波により高値の切り下げ失敗)を根拠に利確をし始め、同時に第1波の押し目買いを狙って新たな買いも入ってきます。
その結果第3波が第1波の高値(㋺の付近)を上抜けると、上昇トレンドが確定するのでさらに新しい買いも入ってきて一気に上昇します。(第3波が大きく伸びる理由)
成熟期(第4波~第5波)
上昇のエネルギーを貯めるために一旦押し(また中段レンジ)が入ると(第4波)、第3話で入り損ねたトレーダーが一斉に買いエントリーしてくるので急激な第5波が作られます。しかしそれはさほど多くはいないので長続きはせず、㋑や㋩で買いエントリーした多くのトレーダーが利確し始め、チャートは下落します。㋭
衰退期(A波~C波)
㋬でまだ買い目線のトレーダーの買いが少し入ってきますが㋣あたりまで戻ると、㋭で利確しそこねたトレーダーの利確売りが再度入ってきて下落します。
㋠で最後の押し安値(青線)を割り込み、上昇トレンド終了となりますので一気に売りが入ってきて大きく下落します。
最後に
エリオット波動は細かく見ていくともっとたくさんの法則がありますが、実際のトレードに応用するならだいたい以上のことを押さえておけばよいのではないかと思います。
どこを第1波としどこを第3波と見なすかということがけっこう難しいですが、「第3波は一番長い」とか「第1波はトレンドが最初に出る波」とかの条件を手がかりにして探していくしかありません。
数多くの波形を見、当てはめてみることで練習していきましょう。