トレンドの定義は基本ですが正確な理解が必要です。初心者ならなんとなく右上がり、なんとなく右下がりでもいいですが、後で出てくる「ダウ理論」を理解するためにもトレンドの定義は必須です。
もちろん、ここでの定義は絶対ではありませんが、一般的にこのように定義されることが多いと思います。
アップトレンド
下図のように高値(赤丸)を切り上げ、安値(青丸)も切り上げていることがアップトレンドの条件です。高値だけではいけません。安値だけでもいけません。両方切り上げてアップトレンド確定です。
ダウントレンド
逆に下図のように高値(赤丸)を切り下げ、安値(青丸)も切り下げていることがダウントレンドの条件です。高値だけではいけません。安値だけでもいけません。両方切り下げてダウントレンド確定です。
レンジ
また、下図のように高値と安値の両方(またはどちらか一方)がほぼ同じ値でそろっているものをレンジと定義します。
ノントレンド
ついでにノントレンド相場です。下図のように高値を切り上げたと思ったら安値を切り下げるといったまったく秩序のない相場をノントレンド相場と呼びます。
トレンドが確定するのはどこ?
それでは上記の定義を用いるとトレンドが確定するのはどの時点でしょうか。
下の図でCの地点ではAより高いところで安値を作っているので安値は切り上げていますがまだBの高値を超えるまでは高値を切り上げてないのでアップトレンドは確定していません。Bの高値を超えた瞬間のDで初めてアップトレンド確定になります。
ダウントレンドも同様です。CでAより低いところで高値を作っているので高値は切り下げていますが、安値は切り下げていないのでまだダウントレンドではありません。DでBの安値を割り込んだ瞬間にダウントレンドが確定します。
ではレンジ確定はどこでしょうか。Aまで高値安値を切り上げてアップトレンドが発生していました。ところがBで高値Aを切り上げなかった。この時点で高値A、Bがそろっているのでレンジが発生したと言えるでしょう。
しかし、このあと相場がグレーのように動いたとします。すると次の高値はA、Bの高値を切り上げることになるのでアップトレンドが継続することになります。つまりA、Bの高値がそろった時点ではまだアップトレンドが完全に終了したとは言えないわけです。
ではどうなればトレンドが終了したと言えるのか。
それはここまでの基本的な定義を押さえていただいたうえで次回のダウ理論の説明のなかでお話したいと思います。